2015年12月31日木曜日

標準ランダムウォーク

ネットワーク上の隣接する頂点に等確率で遷移していくランダムウォークのことを標準ランダムウォークという。
頂点数 $n$ 、辺数 $m$ の任意の単純グラフの場合、到達時間と全訪問時間の期待値が $O(nm)$ に抑えられる。

ランダムグラフ

頂点の位置や頂点間の関係を乱数を用いて生成したグラフのことをランダムグラフという。
なお、ランダムグラフには様々な数学的定義がある。
定義は様々だが、ランダムグラフは、頂点間の平均距離が短く、クラスター度が低く、次数分布にピークが見られるという性質を有するとされる。

2015年12月30日水曜日

ランダムウォーク

$X_{n},n=0,1,2,\cdots$ を独立かつ同分布な$R^{d}$値確率変数族とする。
このとき、
\[S_{n}=X_{0}+X_{1}+X_{2}+\cdots+X_{n}\]
を$d$次元ランダムウォークという。
金融商品の価格がランダム・ウォークの性質をもつことを最初に見つけたのは仏数学者バシェリエ(Louis Bachelier)で1900年のこと。

2015年12月29日火曜日

自然変換 natural transformation

関手間の射のことを自然変換という。

関手 functor

圏と圏との間の対応付けのことを関手という。
関手は対象関数と射関数の組からなる。

凸包

与えられた点を全て含む凸多角形のことを凸包という。

超平面

$p \in \mathbb{R^{n}}$ を $0$ ではないベクトルとし、$c$ を定数とする。
このとき、
\[H = \{x \in \mathbb{R}^{n} | ^{t}p \cdot x = c\}\]
を超平面という。
超平面は2次元の平面の概念を $n$ 次元空間に拡大させたもので、$n$ 次元空間の超平面は $n-1$ 次元の平坦な部分空間となる。
2次元では直線が1次元超平面となり、点が0次元超平面となる。

小さな圏

任意の圏 $C$ において、$C$ の対象 $C_{0}$ と、$C$ の射 $C_{1}$ がともに集合であるとき、小さな圏という。

クラス

集合の集まりのことをクラスという。
クラスが集合ではないとき真のクラスという。
逆に、クラスが集合であるときは小さなクラスという。

Hom集合

対象 $A$ から $B$ の射の集合をHom集合、Hom-set といい、$Hom(A,B) $ と表される。

イデアル

可換環 $R$ の部分集合 $I$ が、加法群としての部分群であり、任意の $r \in R,a \in I$ に対して $ra \in I$ が成り立つとき、$I$ を $R$ のイデアルという。
環が${0}$ と環自身の自明なイデアルしか持たないときは体になります。
体のイデアルは、${0}$ と体自身の自明なイデアルのみです。

整域

可換環で、単位元があり、零元以外に零因子を持たない環のこと。
整数全体は整数環となります。
整数環は可換なので可換環。1という単位元があり、0以外の0因子はないので、整域になる。
実は体も整域になる。

可換環

$R$ を環とする。
任意の $a,b \in R$ に対し、 \[ a \times b=b \times a \] であるとする。
このとき、環 $R$ を 可換環 という。
可換環でない環は非可換環という。

自然数、整数、有理数

自然数にはマイナスはないので、加法に関しても逆元が存在しない。
従って、自然数は環にもならない。

${1 \over 2}$は整数ではないので、整数は乗法に関する逆元が存在しない。
従って、整数は体ではない。

有理数$\mathbb{Q}$は環で、しかも、可換なので可換環。

有理数$\mathbb{Q}$、 実数$\mathbb{R}$、複素数$\mathbb{C}$は体で、しかも、可換なので、可換体。

非可換体は斜体ともいう。

数の関係

実数$\mathbb{R}$は有理数$\mathbb{Q}$の拡大体。
複素数$\mathbb{C}$は実数$\mathbb{R}$の拡大体。

そして、
有理数$\mathbb{Q}$は実数$\mathbb{R}$の部分体。
実数$\mathbb{R}$は複素数$\mathbb{C}$の部分体。

それにしても、有理数という日本語には中々慣れない。

部分体と拡大体

体 $A$ の部分代数系 $B$ が体になっているとき、$B$ は $A$ の部分体(subfield)、$A$ は $B$ の拡大体(extended field ,extension field)という

2015年10月8日木曜日

内積 inner product

内積とは,$\vec{a} $ と $\vec{b}$ のなす角を $ \theta $ とするとき,\[\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}| \cdot |\vec{b}| cos \theta\ \] のこと。
内積によって,ベクトル空間に距離の概念を入れることが可能になります。

ユークリッド空間 Euclidean space

内積が定義されているn次元ベクトル空間のこと

多様体 manifold

局所的にユークリッド空間とみなせる空間のこと

束 lattice

デデキントが双対群と呼んでいたものを、クラインが群に対応しているverbandと呼び、ハッセ図を意識してバーコフがlatticeと呼んだことが束の起源、とか

2015年10月7日水曜日

可逆とは限らず、変化によってそれ自身が変化してしまうという変化、作用を表す数学的概念を圏といいます。
対象(点)と射 (矢印),そして合成(矢印をつなぐ操作)からなります。
• 対象:X,Y,Z,···
• 射:f , g , h, · · · ; f : X → Y のように始点と終点に対象を持つ
• 合成:f : X → Y , g : Y → Z に対し,g ◦ f : X → Z を定める
これらが,結合律(h◦g)◦f =h◦(g◦f)を満たし,恒等射f◦id =id ◦f=fを持つとき、圏といいます。
 直観的には結合単位的な演算規則が入ったグラフが圏ということになります。